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うつ病の原因
うつ病の原因
はじめにうつ病に効く薬が偶然発見され,その薬理作用を研究して,抗うつ薬は数々の神経伝達物質に作用するが,特にノルアドレナリン,セロトニンが重要であることがわかってきた。その後,セロトニン,ノルアドレナリンなどが減ったり,働きが弱まっているのがうつ病であり,セロトニン,ノルアドレナリンなどのモノアミンの働きを強めることで抗うつ効果が高められるという「モノアミン仮説」が登場し,それにしたがって,次々に3環系抗うつ薬が開発された。しかし,うつ病の病因仮説としての「モノアミン仮説の」の矛盾点が指摘し始められた。シナプ間隙のモノアミンの変化は,抗うつ薬投与後数分から数十分で生じるのに対し,抗うつ薬の発現には2~3週間かかることや,シナプス間隙のモノアミンを増加させる薬でも抗うつ効果がないものがあることなど,いくつかの矛盾点が指摘された。この矛盾点を解決すべく,近年多くの研究者が受容体以降(beyond receptor)の細胞内情報伝達系の異常それによる脳神経系ネートワーックの損傷と移っている。神経細胞は発生の段階を除いては増殖や再生することが常識であった。ごく最近になって,BDNF(brain−derived neurotrophic factor)の働きで神経細胞が新生されることがわかった。抗うつ薬はBDNFを増加させることが判明した。
また,非侵襲的に,PETやSPECT,fMRIなどで脳を検索できるようになってきている。うつ病では脳全体の血流(特に前頭葉)が低下,糖代謝も低下していること,治療によって改善すると血流量や糖代謝も改善することが判明している。
松浪がうつ病の急性期の変化についてうつ病の変化=「「ずれ」の感知(松浪)として
(1)「今まで通りなら当然できていたはずのことができない」:「ずれの感覚」
(2)「ずれ」の感知以前に,作業能力の低下が想定されるが,その始まりは把握できない
(3)当初は仕事の遅滞は,本人も,周囲の人間にも解消不可能な遅滞とは認識されない
(4)すでに進行している能力低下によって,「解消」は達成できず,「解消」の努力を続けて
疲弊する。
(5)「ずれ」「遅れ」の原因を知って,自分にかけられている可能性のある,また認めざるを 得なくなる嫌疑(怠けている,など)を晴らしたい。ぬれぎぬ意識
離婚,事業の失敗などばかりでなく,引っ越し,栄転なども「うつ病」発症のきっかけになるが,発病時点をめぐっては,本人が反省によって把握できる時点と,生物学的変化が始まる時点の「ずれ」を想定している。


