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うつ病における諸問題
うつ病における諸問題
大うつ病は一つの疾患というより双極II型,非定型うつ病,季節性うつ病などのサブタイプも多く,それぞれで投薬や精神療法の方針も変わってきます。社交不安障害などの不安障害との併存も問題となっています。したがって,治療が長期化することも少なくありません。抗うつ薬に非定型抗精神病薬を組み合わせることもあります。うつ病はありふれた疾患(common disease)ですが(生涯に15人に1人が経験する),原因も完全にはわかっていません。「うつ病は必ず治る」などのタイトルの一般書を見かけますが,実際には1年で65%程度がなおるものの,半数は再発してしまいます。
症状の改善に伴い,それがそのまま社会機能やQOLに改善に繫がるのではなく,「寛解」(永続的一時的を問わず、病気による症状が好転または、ほぼ消失し、臨床的にコントロールされた状態を指す。すなわち、一般的な意味で完治せずとも、臨床的に「問題ない程度」にまで状態がよくなる、あるいはその状態が続けば寛解したと見なす)という状態になって初めて急速に回復することもわかってきました。
「うつ病は心の風邪」などというタイトルの本もみかけますが,うつ病を啓発するには意味があったと思われますが,「心の肺炎」と言うべきでしょう。
また患者さんのセーフティネットも変わってきています。
高度経済成長のときは,終身雇用,年功序列が一般的でした。しかし,最近は雇用不安のある派遣労働者が増えています。彼らは一般的に収入が少なく,社会的支援も少ない傾向にあります。ひどいいやがらせ,違法行為の強要,達成困難なノルマが課せられたり,担当者数の変化でひとりになることがあります。
派遣労働者の中には過去にメンタル不調を経験のある者が少なくなく,派遣労働の期間中に精神的な不調に陥ることも少なくありません。
正社員も成果主義が導入され,過重労働を強いられていることも少なくありません。
そもそもうつ病は「休むことの不能」という病理を持っています。休養が大事なのはいうまでないが,仕事を休むことは役割の喪失(自分が組織にとって不要な人間であることを認める,派遣社員の場合は職を失う)することになります。近年,うつ病の対応について啓蒙がなされ,「頑張れ」などとは言わなくなっています。早期発見•対処が重要なのはいうまでもないが 十分な休養を指示することが大切です。一旦うつ病になった場合は,十分休養をとり,軽減勤務(仕事量,質)からはじめ,徐々に負荷をかけていくことが望ましい。復帰しても腫れ物に触るような態度ではなく,無視するわけでもなく,分かってもらって,そっとしてもらえる関係が大事です。
表 職場におけるメンタルヘルス(忽滑谷より引用)
1早期復職は禁物
2回復にあった仕事量(ソフトランディング)
3仕事の量と内容の軽減
4本人にあった仕事内容
5通勤の負担の軽減(時差通勤)


